安全性は大丈夫?エクオールの過剰摂取と副作用について

大豆イソフラボンブームの折に、女性ホルモンのエストロゲンと似た構造や働きの大豆イソフラボンを大量摂取しすぎると女性ホルモンが乱れるとか、発がん性があるなどという噂もあったのを覚えている人もいるかと思います。では、同じ大豆由来のエクオールはどうなのでしょう。やはり過剰摂取すると健康に悪影響があるのでしょうか。

エクオールの摂取上限

実は、2016年現在エクオールの摂取基準量は、厚生労働省による「日本人の食事摂取基準」では定められていません。そのため公式な目安量や上限量は不明ということになりますが、研究の結果によれば、エクオールは一日あたり10㎎摂れば更年期障害の症状緩和に効果が出るとされています。ですから、エクオールを摂取する際は10㎎摂れば十分と考えてよいでしょう。サプリメントからエクオールを摂取するならば、1日分で10㎎のエクオールを配合してあるものを選べば間違いありません。

大豆イソフラボンの種類と目安摂取量

エクオールは、そもそも腸内細菌によって大豆イソフラボンが変換されて出来るものです。大豆イソフラボンは豆腐や納豆といった大豆食品を食べることで摂取出来ますが、エクオールを10㎎作るには、どのくらいの量の大豆食品を食べればよいのでしょうか。エクオールを10㎎作るのに必要な大豆イソフラボンの量は、50㎎です。大豆イソフラボン50㎎を食品から摂ろうとすると、豆腐200g(1丁のおよそ2/3)、納豆50g(1パック程度)、豆乳200mlが必要です。

毎日続けようと思うと少し大変かもしれませんが、そんなに無茶な量でもありませんよね。しかし、エクオールを作りだすのは実はそう単純ではないのです。大豆イソフラボンにはアグリコン型とグリコシド型の2種類があり、アグリコン型は分子が小さく吸収されやすいがグリコシド型は分子が大きく吸収されにくいという特徴があります。そして、豆腐や納豆といった一般的な大豆食品に含まれる大豆イソフラボンのほとんどは吸収されにくいグリコシド型なのです。

一方のアグリコン型は味噌や醤油といった大豆を原料とする発酵食品に多く含まれています。しかし、味噌や醤油は塩分も多く含んでいるため摂りすぎればかえって健康を害してしまうかもしれません。ならばサプリメントで摂ればよいのでは?と思いますが、ここでも少し注意が必要です。

アグリコン型大豆イソフラボンの一日の摂取目安量

アグリコン型大豆イソフラボンの一日の摂取目安量は、内閣府の食品安全委員会(科学的知見に基づき客観的かつ中立公正に食品のリスク評価を行う専門機関)によって上限を1日70~75㎎と定められています。また、吸収率の高いサプリメントや特定栄養補助食品は、上乗せ摂取量として1日30mgまでとされています。臨床試験によって、大豆イソフラボンを摂取しすぎると子宮内膜症の発症リスクが高まったり月経周期が長くなるなどの影響が認められているので、この上限値は自分の健康のためにも必ず守らなければなりません。

どんな健康効果のある食品やサプリメントでも、度を超えれば毒にもなり得ます。大豆食品や大豆イソフラボンサプリメントは目安量を守って摂るようにしましょう。逆にいえば、適度な量を守ってさえいれば、過剰に心配する必要もありません。

妊娠中のエクオール摂取には注意が必要

大豆食品を食べることで作られるエクオール。本来は自分の体内で作られるものですし、その原料となる大豆食品の摂取量が目安を守った常識的な量であれば、基本的に副作用などを心配する必要はありません。しかし、普段とはホルモンの状態が著しく異なる妊娠・授乳期にはホルモンのバランスに影響を与える食品の摂取には注意する必要があります。特にサプリメントは吸収率が高いため、もしエクオールサプリメントを飲んでいる最中に妊娠が判明した場合や、授乳中にサプリメントを服用したいと考えた場合は、かかりつけの医師に相談するようにしましょう。

2人に1人は作れないエクオール

エクオールは大豆イソフラボンを構成する成分である「ダイゼイン」「グリシテイン」「ゲニステイン」のうち、ダイゼインが腸内細菌の一種であるエクオール産生菌によって変換されて作られます。しかし、エクオール産生菌を持っているのは日本人全体のおよそ50%しかいません。しかし、これは世界的に見ると比較的高い割合で、欧米などではさらに少なく20~30%程度です。

エクオール産生菌を持てるかどうかは幼少期の食習慣などが大きく影響すると言われています。日本以外に中国・台湾・韓国といった国々でもエクオール産生菌を持つ人は多く、これは東アジアに大豆食の習慣があるからだと考えられています。自分がエクオール産生菌を持っているかどうか調べる方法としては、エクオール検査(ソイチェック)があります。

もしエクオール産生菌を持っていなかった場合、すでに腸内環境の出来あがった成人になってからエクオール産生菌を持つことは難しいですがサプリメントなどを使えば直接エクオールを体に取り入れることが出来ます。更年期障害に悩まされるようになったら、一度エクオール検査を行ってみて、その結果や自分の体質に合わせてサプリメントを活用すると、乗り越えやすくなるかもしれませんよ。

食品安全委員会 大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A

内閣府食品安全委員会事務局

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